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中之島中央公会堂
80余年大阪の歴史を刻み続けた中之島中央公会堂が
新しく生まれ変わりました。

2002年10月30日、大阪府建築士会の見学会に参加しました。
綿密な調査を行い、創建時の仕様書や古写真の文献を参考に保存・再生が行われました。

工期 1999.3〜2002.10
構造 鉄骨煉瓦造、RC造
規模 地下2階 地上3階
工事内容
1.免震装置設置工事
2.構造躯体耐震補強工事
3.大集会室等内装修復・改修工事
4.外壁、屋根修復工事
5.建具改修工事
6.外構工事
7.電気・空調・衛生・ELV・ガス工事
外壁

白華現象や、鳥の糞、水垢などで汚れているため、洗浄がおこなわれました。

屋根

青銅版屋根の洗浄および緑青加工が施されました。

入り口ホール
大集会場

さまざまなイベントに対応できるよう、音響、照明、舞台装置などの機能性が向上し、ゆったりした椅子や空調設備の改善など、快適性も向上されています。
特別室

明治大正期画壇の重鎮、松岡 壽による天井画「天地開闢」が修復されました。
また、マーブル塗り円柱や壁面刺繍パネルがよみがえりました。
中集会室 小集会室
階段手摺

明治、大正期の職人の技と工夫が随所に発揮されています。
地下の免震装置設置

文化的に価値の高い歴史的建造物を免震構造にすることにより、必要な耐震機能を持たせながらも、建物の外観や内部の意匠の改変を最小限に抑えています。
免震レトロフットという方法が採用されました。

11月6日、「うるおい水都フォーラム」に参加しました。
水の都・大阪と関西の活性化に向け、民間活力による都市の再生を考える「うるおい水都フォーラム」(読売新聞大阪本社主催)が6日、大阪・中之島の大阪市中央公会堂で開かれました。
経済の低迷で関西の地盤沈下が指摘されていますが、大阪には公の施設や橋などを、市民が私財を投じて造ってきた歴史があります。
フォーラムでは特別講演やパネル討論でこうした大阪の人の潜在的な力を現在の街づくりに生かそうとの視点で活発に意見が出され、会場を埋めた950人の市民や学生らが熱心に耳を傾けました。

安藤忠雄さんの講演から


大阪市中央公会堂 創建時の姿よみがえる(読売新聞11月20日の記事より)

今回の「うるおい水都フォーラム」が開かれた大阪市中央公会堂は、大正時代のネオ・ルネサンス様式の歴史的建築物として知られる。1999年春から進めてきた保存・復元工事が終わり、創建時の姿をよみがえらせて11月1日に新装オープンした。中央公会堂は18年に、大阪・北浜の株仲買人だった岩本栄之助氏が私財100万円(現在の50億円に相当)を投じて建設し、市に寄贈された。赤れんがの外壁や丸みを帯びた屋根や柱など壮麗で優美なデザインに特徴がある。創建以来、ヘレン・ケラーさんや人類初の宇宙飛行士、ガガーリンさんの講演会が開かれるなど、約80年にわたり大阪の文化振興に大きな役割を果たしてきた。
3年半に及ぶ工事は、老朽化や改修工事で失われた創建時の姿を忠実に再現することに重点を置いて進めた。総工費110億円のうち10億円は、市民らの寄付で賄ったという。
地上3階、地下2階延べ床面積9970平方bで、大集会室(ホール)は、37年に改修された天井の形やシャンデリアを昔のデザインに復元し、音響装置、舞台装置を全面改修した。
3階の特別室は、明治洋画の先駆者、松岡寿画伯の天井画「天地開闢(かいびゃく)」(12b×11b)のほか、鳳凰などをデザインしたステンドグラスも修復し、優雅なサロンとして利用できる。さらに戦時中の43年に、戦時の金属供出で撤去された正面屋根のシンボル像2体も復元した。
また、最新の免震構法で建物の強度を高めたほか、エレベーターも増設して、重いすで移動しやすいスロープも新しく設けた。
豊田幸一館長(59)は「ダンスパーティーや楽団を招いての食事会など公会堂ならではの利用も多く、新しくなってから半年間の利用率は70%を超えそうだ」としている。
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